NOT SO BADなブログ

ぼっちスタートアップが日々がんばっています。

【翻訳】個人開発のプロダクトを6ヶ月で売却するまで

Dec 22, 2019

  • 個人開発論
  • 翻訳

新年に日本のお寺で(右が著者です)

この記事はイギリスのIndie Hacker(個人開発者)、Josh(@joshahowarth)のブログ記事を、本人の許可を得て翻訳・掲載しているものです。

オリジナルの記事はこちら↓↓

個人開発のプロダクトをいかに育てていくか、海外のIndie Hacker事情も垣間見えてとてもおもしろい記事です(長いけど)。Product HuntやRedditなど、海外のローンチプラットフォームもたくさん出てくるので、馴染みがない方は先に以下の記事を読んでいただけるとよりイメージがつきやすいかと思います。

同じくIndie HackerのPieter Levesの記事です。今回のJoshも非常に参考にしているらしく、記事内でも何度か言及されています。

多分に意訳していますが、翻訳の間違いなど見つけた方は info@notsobad.jp までこっそり教えてください。 それでは、以下が記事の翻訳です。


ダイジェスト版

  • 👨‍💻 2ヶ月かけて、トレンドを見つけるためのアプリを開発
  • 🙂 Hacker Newsに投稿して1位を獲得
  • 📈 そこから成長と改善の4ヶ月
  • 🐦 Twitterではユーザーの人気を獲得
  • 🤯 マネタイズ失敗
  • 🎉 トラクションを評価してくれたBacklinkoの創業者Brian Deanに売却
  • 🕺🏼 名前とフォーカスを変え、デザインも一新 👉 ExplodingTopics.com
  • ロングバージョン

    最初に言わなければならないのは、今回の出来事はすごくラッキーで、再現性のあるやり方として誰にでもおすすめできるものではないということです。

    その代わりにこのプロジェクトを支えてくれた人たちにお礼を伝えたいと思います。Hacker News、Indie Hackers、そしてRedditで助けてくれたみんな。

    それから個人的な感謝を、ThreaderのVincent(この記事を書くよう勧めてくれました)、Adrian Love、Daniel Eckler, そして妻のAkaneに。

    彼らのフィードバックがこのプロジェクトを継続的に改善する助けになり、また収入のない期間に彼らの励ましがとても力になりました。

    どうやって始まったか

    Trennd.coのプロジェクトを始めたのは、日本に住んでいた4月頃です。その頃はまだTrendList.ioと呼んでいました。

    私は収益性のあるオンラインビジネスを立ち上げたいと考えていたのですが、大きなマーケットトレンドに乗れればそれが100倍楽になることに気づき始めていました。 競争が激しくなる前に、そのチャンスをつかまえるのです。

    この成功例の1つが、JonとJustinのTransistor.fmです。成長しているポッドキャストのB2Bホスティングマーケットに目をつけ、そのためのSaaSを立ち上げました。

    また別の成功例はPieter Levelsで、自分自身のニーズからNomad ListとRemote OKを作り、デジタルノマドとリモートワークのトレンドに乗りました。

    マーケットへの気付きとタイミングが、この2つの例ではとても重要でした。 もちろんそれに加えて実行力が必要だったのは言うまでもありませんが。

    しかし事業を軌道に載せるためには、プロダクトのローンチ後も、セールスやマーケティング、それ以外の様々なハードワークを数年単位で必要とします。 私はその人生をかけた努力が、見込みのない市場ではなくちゃんと将来性のある成長市場に使われていることを、事前に確信したいと思っていました。

    そのために必要だったのは、自動的にWebをモニタリングして新しいトピックを拾い、Google Trendsにつなぎこめるような仕組みでした。 いや、Google Trends自体もチェックしてくれたら、その手間も不要です。

    いいツールがないか探したのですが、見つけることができなかったので自分のために作ることにしました😛

    最初のバージョンは文字通りただのCLIツールで、コンソールにトレンドのグラフを出力するだけのものでした。

    B2CのSaaSプロダクトとしてパッケージできればいいなと思ったけど、セールスが大変で失敗してしまうのはごめんです。 そこでまずはとりあえず無料で公開し、このツールでユーザーを集められるかを見てみることにしました。

    aboutページでもあらかじめこんな風に書いていました。 「収入は今のところほとんどゼロで、しばらくはこの状態が続くと思います。もしかしたらずっと。」

    新しい技術スタックを試す機会を逃したくなかったので、ツールはNextJSのアプリとして作りました。 この技術を選択した理由は、主にサーバサイドレンダリングの機能を活用するためです。 これによって、すべての多様なトレンドページがきちんとGoogleにインデックスされるようにできました。

    5月の初めに、TrenndをProduct HuntのShipにアップしました。 (訳注:初期ユーザー獲得のための有料プレローンチサービス)

    本当はもっと早く、コードを書く前に潜在的なユーザーと話をするべきだったんでしょう。 でも自分はこのコンセプトに非常に自信があったんです。Trenndは自分自身の問題を解決するものだったのですから👹

    2ヶ月経ってShipから153名の購読者を獲得したものの、Shipに月$80払い続けるよりも明らかにもっと効率のいいやり方があるだろうと感じていました。 でもプロダクトを露出できたことと、ローンチ時にもらえるサポートを考えると、Shipにも価値はあると思います。

    5月20日頃には、ようやくプロダクトが人に見せられる状態になってきたと感じていました。

    しかし同時に、「Trend List」という名前が「Trendlist.org」のブランドネームであることにも気づいてしまいました。 これは現代グラフィックデザインのサイトで、ドメインオーソリティが38もあり、Googleの検索結果で巨大なプレゼンスを持っています。 サービス名でGoogle検索できるようにするためだけのために、ローンチ初日から彼らと戦う気にはなりませんでした。

    もしかしたらちょっと私は臆病すぎで、「Trend List」という名前をかけて彼らと戦うべきだったのかもしれませんが。

    とにかく、他の候補としていいものを3つ思いつきました。「Trendful」「Trennd」「Trend Geek」です。 「Nice Trend Bro」という案は妻に却下されました。

    そのとき、このリブランドはそれ自体がいいマーケティングの機会になるんじゃないかと気づいたのです。 そこで新しいサービス名についてTwitterで公開投票を行い、ユーザーを巻き込むことにしました。 またこの方法で選ぶことで、確実にみんなが受け入れてくれる名前だと担保することもできます。

    Twitter投票は1週間行われるので、この7日間を活用してできるだけ多くの投票を得られるようにしなければいけません。

    Redditでのプレローンチ

    私はすぐに、Redditで最初のプレローンチを行うことにしました。 バグや機能面での問題を指摘してくれる初期ユーザーを集めることが主な目的です。

    また私はプロの「ウォントレプレナー(起業したい予備軍)」として、Redditの「r/entrepreneur(起業カテゴリ)」をよく徘徊していました。 そこのビジネス志向なユーザー達なら、きっとTrenndを便利だと思ってくれるはずです。

    でもRedditに投稿するとき、私はしっかりガードを上げて行きました。 もし誰かがプロモーションのためにそこに来てると感じたら、みんな一瞬でそいつをぼこぼこにしてツバを吐きかけるということを、嫌というほどよく知っていたのです。

    そこでそのとき一番おもしろそうだった57個のトレンドをピックアップして紹介し、投稿するための手土産にしたのです。 最初にバリューを提供し、それからフィードバックを求めるように気をつけました。 1日中コメント欄に張り付き、コメントしてくれた全員に返信しました。

    このReddit投稿へのレスポンスは大きなものでした! 3つ以上のsubreddits(カテゴリ)で合計500以上のupvotes(いいね)をもらいました。

    数字に関して、Redditがもたらしたものは、

  • 80人のメール購読
  • 50人のユーザー登録
  • 1,000トラフィック
  • 悪くないスタートです。

    そしてまた、このアプリをどうやったらもっと改善できるか、たくさんのフィードバックをもらいました。 たとえば、

  • もっと短い期間でデータ分析できるようにする
  • Google Topicsだけじゃなくて、キーワードトレンドを可能にする
  • 他にも、閉じるボタンをスマホで押しやすいよう右上に移す、などたくさんの小さな改善案
  • このRedditでの成功のあと、Twitterでは新サービス名に対して100以上の投票が集まっていました。 そして「Trendful」と「Trennd」の接戦になっていたのです。

    そのとき、たまたまPieter Levelsがこのプロダクトを見つけてコンセプトを気に入り、「Trennd」に投票してくれたのです!

    私はPieter Levelsと彼のNomad Listの大ファンです。 ちょうどTrend Listをはじめるほんの数日前に、彼のバリでのプレゼン動画(訳注:冒頭でご紹介した翻訳記事の元動画)を見ていました。 だから彼がこのアイデアを気に入って投票してくれるなんて、本当に驚いたのです。

    結局、わずかな差で名前は「Trennd」になりました。 この初期のトラクションに続いて、TrenndはHarry Dryのブログ「Marketing Examples」でも取り上げてもらいました。

    また、目標だったIndie Hackersでの「Top」入りも果たしました。 Indie Hackersのコミュニティが本当に好きなので、私にとってこれは大変なことです!

    最初の5週間が過ぎて、私はこの結果に本当にハッピーでした。 特に目標は決めていませんでしたが、353人のメール購読者数は、目標をはるかに上回っていました。

    そしてまた初期のフィードバックが圧倒的にポジティブだったことにも満足していました。

    これまでにも他に小さなプロダクトを作ったことはありましたが、それは上り坂で必死に大きな岩を押していくような感じでした。 新規獲得のための努力をちょっとでもやめるたび、元の場所まで戻ってきてしまいます。 既存のユーザーも離脱して定着しません。

    でも今回は、明らかに何かが違うと感じました。今まで作った中で人々が勝手にシェアして広めてくれるのは初めてのことで、プロダクトがひとりでに離陸したような感じでした。

    そしてこの数百件のメールリストを活用して、「Trennds for the Weekend」と名付けたメールマガジンを毎週配信するようにしました。 無駄な要素抜きで、シンプルに毎週一番おもしろくてフレッシュなトレンドを集めたメールマガジンを作ることが目標です。

    メールマガジンは、私が必ず毎週やると決めたことの1つでした。 購読者と話すネタを作るということが、色々進めるための大きなモチベーションになったのです。

    さらに、Trenndsのユーザーと常に会話し、フィードバックのためのオープンなチャネルを持つことはとても価値がありました。 もし私がトレンドの質やデザイン、メールのフォーマットなどで間違った方向に行こうとすると、誰かがメールへの返信で指摘して、正しい方向に戻るよう助けてくれます。

    次のステップはShow Hacker News(訳注:Hacker News内で自分のプロダクトを紹介するコーナー)でのローンチです。 ほとんどのプロダクトはノイズに紛れて沈んでしまうので、大きなチャレンジになるだろうと覚悟していました。

    Show Hacker Newsでのローンチ

    金曜夜10時、私は日本で机に向かい、Hacker Newsに投稿するためスタンバイしていました。 妻はもうベッドで寝ていましたが、アメリカでもヨーロッパでもみんな起きているこの時間帯が、投稿にはベストだと判断したのです。 また、もし必要なら土曜の朝を使ってコメントに返信したり、状況をチェックすることもできます。

    下書きを書き上げ、投稿ボタンを押しました。

    すみません、あなたのアカウントは最近作られたばかりなので、まだ投稿することはできません。

    なんてこった!今日はこのことを1日中考えていたのに、投稿することすらできないなんて🤦🏼‍♂️

    とにかくHacker Newsにメールして事情を説明すると、親切にもすぐに投稿できるように設定してくれました。 アカウントは2017年に作成していたけど「新しすぎる」と判断されたのは、コミュニティにあまり参加できていなかったということです。

    金曜の話に戻します。今度はちゃんと投稿できました。

    オーディエンスの共感を呼ぶように、特にタイトルに気をつけました。 他のほとんどの場所でも一緒だと思いますが、Hacker Newsでは「シンプル・明快・謙虚」な投稿が一番うまくいきます。 これは仲間の個人開発者、Vincentが得意なところです。彼がタイトル決めを手伝ってくれ、他にもすばらしいアドバイスをたくさんくれました。 投稿はすぐに「Best of Show HN」ページに移り、その後すぐメインページに載りました。

    トラフィックはTrenndの同時接続数で400人まで増え、しばらくの間ランキング1位になりました。

    この時点で、悪名高い「Hacker Newsのハグ」によってTrenndのサイトは死にました。 MongoDB Atlas無料プランのキャパ上限を超えてしまったのです。 サイトが落ちていた15分間、有料プランにアップグレードしながらとても心配な時間を過ごしました。

    Hacker Newsのゴールデンタイムを15分も逃してしまったのは恥ずかしい限りです。 それ以来、サーバ側でキャッシュしてDBアクセスが急増しない仕組みを実装しています。

    しかし幸いすぐに復帰できたので、トップページの上位付近に12時間くらい居続けることができました。 私にとっては十分な成果です。強欲になりすぎてはいけません😛

    朝早くにコメント欄の対応をし、有益な意見やものすごい量のポジティブな反応をもらうことができました。

    Twitterでのバズ

    すべて終わって通常運転に戻るかと思い始めた頃、バズの効果がTwitterにも波及しました。 たくさんの人がTwitterでTrenndについてツイートし始めたのです。

    ありがたいことに、ちょうどTwitterでプレビュー画像がちゃんと表示されるように修正したところでした(ありがとうMichael!) そのおかげでTwitterでTrenndが拡散されるとき、いい感じの画像と説明文が表示されました。

    そして極めつけは、MozのRand Fishkinもツイートしてくれたことです!1ヶ月の最高の締めくくりになりました🍒

    いいねとリツイートの数はすごかったです。 私はTwitterを初めたばかりなので、このバズで頭がいっぱいになりました!🤯

    このバズのおかげでHacker News letterKottke.orgにも取り上げてもらい、こちらも多くの流入をもたらしてくれました。

    これら全部の結果として、Eメール購読者数は2000人を超えました。

  • 購読者数: 2,163 🎉
  • 訪問者数: 28,353 🕵️‍♀️
  • PV: 124,026 👀
  • ユーザーがすぐに、自分で興味あるトレンドを追加してくれたことも驚きでした。 新しいトレンドの発見をある程度クラウドソーシングできるだろうと思っていたのですが、その仮説を裏付けるものでした。 Product Huntが新しいプロダクトの追加をクラウドソーシングしたのと同じやり方です。

    しかしこれは同時にクオリティコントロールの問題をもたらしました。 たとえば誰かがポルノ系のキーワードをトレンドとして追加すると、実際にそれがトレンドになっていたとしても、やはりこちらで制御する必要があります🤫

    この段階で2000人以上の購読者を得て、プロジェクトの価値は完全に検証できたと感じました。 マーケティングによってさらに数百人を獲得したとしても、この価値について何か変わることはありません。

    そこで次はプラットフォームをよりパワフルにする必要があると考え、すぐに動ける準備はしつつ、Product Huntへのローンチは一旦保留することにしました。

    マネタイズ(もしくはその失敗)

    この時点で、このプロジェクトをどうやってマネタイズするか、長く苦しい試行錯誤を始めました。 プロジェクト自身の費用をある程度まかなえるようにしたかったし、あわよくば生活費の足しになれば最高です。

    中長期的には、Trenndのプレミアムバージョンを作るのが進むべき方向性だとはわかっていました。

    しかしそれをどんな形にしたらいいのかはわかっておらず、やるからには正しい方法でやりたいと思っていました。 プレミアム版を急ぎすぎたり間違った方法で提供することで、せっかく苦労して築いた信頼を失ってしまうのでは意味がありません。

    あるユーザーは、好きなトレンドを集めてパーソナライズされた通知を受け取れる「プライベートTrenndダッシュボード」について問い合わせをくれました。彼らはそのためなら月$100~$200払うとまで言ってきたのです。

    後からわかったのですが、彼らはTrenndを使って新しいプログラミング言語を早く見つけられることに非常に価値を感じていました。 そうすればUdemyでそれについてのコースを開講することができます(一番最初にコースを作ってよいレビューを集めると、勝者総取りのマーケットで非常に儲かるのです)

    しかし私にとって、一番の価値はトレンドそれ自体とホットなトレンドがすぐわかることであり、特定のものをパーソナルダッシュボードに載せられる機能ではありませんでした。他のユーザーは単に無料バージョンを使うでしょう。 また、プログラミングコースのクリエイターが一体どれだけいるというのでしょうか。 いいか悪いかわかりませんが(よかったと思いたいです)、私はこの提案を却下ました。

    代わりに、コミュニティやアフィリエイトスポンサーを探し始め、価格について交渉し始めました。 まだわずか数千のメール購読しかなく、トラフィックという意味では小さなハエにすぎなかったにも関わらずです。

    結果的にUnreadit(本当によいプロダクトです、チェックしてみてください!)と、スポンサー掲載のバーター取引を取り付けることができました。 それは非常にうまくハマり、私達双方にとってメリットがありました。

    この交換で、多少のトラフィックと新しい購読者、そして将来Trenndでスポンサー枠を掲載した場合にどれくらいコンバージョンするかの数字が取れました。 しかし、これはあくまでバーター取引だったので、一切収益にはなっていません。

    しかしとにかく契約を取り付けたということが、また閉じこもってプロダクト開発に集中する言い訳になりました🦀

    コードの洞窟

    私には、Trenndをもっと堅牢で長期的に運営できるようにしたいという目標がありました。

    最大の難関はずっと変わらず、ノイズとなるトレンドの除去です。 誰も自分に関係あるトレンドを探すために、何ページもクリックし続けたくはありません。 色んな方法や切り口で、自分に関係のあるトレンドを探せるようにする必要があります。

    私は日本でマンションの小さな白い部屋にこもって作業していました。

    このとき追加したのが、検索ボリュームの絶対数表示や、ソート機能、整理されたカテゴリ分類や、トレンドの自動区分機能などです。

    データ粒度については、最初は3ヶ月のチャートに対してデータが1週間単位だったことがわかります。 3ヶ月で12個のデータしかなく、ちょっと安っぽいですね。

    しかし改善後の下のグラフを見てください。 今では日単位でデータが取れるようになって、随分変わったことがわかります。

    この期間に積み上げた小さな改善を列挙しても退屈なので、これくらいにしておきましょう。本題に戻ります😛

    何もしていないのにトラクション発生

    この頃、1ヶ月以上マーケティングは何もしていませんでした🤦‍♂️

    先月のHacker NewsとTwitter界隈でのバズは、トラフィックとともに自然と落ち着いていました。

    一般的に、マーケティングを後回しにして、とにかく作り続けるほうがずっと簡単です。 私も個人的にそっちのほうが快適に感じます。 しかし、マーケティングは開発と並行して継続的に取り組まなければいけないことも、十分すぎるほどわかっていました。

    周囲の成功しているIndie Hackerたちは、継続的に価値あるコンテンツをアウトプットできる仕組みを作っています。

    しかし驚いたことに、メール購読者の数は放置した状態でもまだ毎日増え続けており、サイトも安定して100~300訪問/日くらい発生するようになっていました。

    これはどちらも私にとって安全を示す青信号でした。 そして突然、Pieter Levelsがまたツイートしてくれたのです!これは最初のときから数カ月後で、また数千人のユーザーをサイトに連れてくることになりました。

    買収

    いろんな人がプロジェクトに関わらせてくれと売り込んできました。 そしてそれがほぼ定期的に続いていたのです!

    問題は、共同創業者を作るのは巨大なリスクを持ち込むということです。 ビジョンや倫理観、その他多くのことに対する意見の相違。

    それはとても大きな不確実性なので、私は一人でやる方を選んでいました。

    そう、このメールを受け取るまでは、です。

    この名前には見覚えがありました。Brian Deanの名前をググります。

    やっぱり!Backlinko.comのBrian Deanです😮

    さらに調べてみます。 興味深いことに、彼は以前にもこうした買収をしていました。どうやら冗談ではなさそうです。

    私はちょうど数日後に自分の結婚式を控えていて、4日ほど沖縄に滞在しているところでした。そのためBrianとの電話は少し待たせることになってしまいました。焦らしたわけではないのですが😜

    そして1時間21分31秒の電話のあと、売却が決まりました。 私たちはSkypeごしに握手したのです!🤝

    さて、売却金額についてですが、もちろんそれが知りたくてここまで読んでくれたんですよね??

    まだ売上の立っていないプロダクトの売却金額を決めるのは本当に難しいことです。 いや、もしかしたらそうじゃないかも。ほとんどの人は単に$0だと考えます。 Trenndもトラフィックは成長していたけど、絶対値で見るとまだまだ低いレベルでした。

    しかし同時に、私たちはこのプロダクトのポテンシャルに非常に興奮していたし、初期のトラクションによってコンセプトは部分的に検証され、リスクも低減されていると考えました。

    結果的に、私のこの6ヶ月間の稼働をUSベースのエンジニアとして換算した額に、すでに実現したトラクション/サクセスから算出した変数Xを掛けた金額に落ち着きました。

    なのでまだリタイアできるほどではありませんが、これは大きな勝利です!

    一番大きいのは、いまや毎月の家賃の支払いを心配する必要がなく、もっと大きな将来図を考えることができるということです。

    そしてもしかしたらもっと重要なことは、この成功が私(と私の妻!)にとって、「本当の仕事」をやらず自分の「プロジェクト」を続けてもいいという証明になったことです。

    正直に言うと、自分はちょっとクレイジーで、この6ヶ月間を無駄にしているのではないかとも思っていました。

    日本での私は、雇用もされておらず、家で1日中パソコンと向き合っている変な「フリーター」でした。

    この期間中、途中のプロセスを書き続けていたことがとても助けになったと思います。 個人開発者として正気を保ち、進捗を一歩引いたところからトラックすることができました。

    またできるだけ過程をオープンにして、購読者数のグロースやトラフィック、売上などの数字を共有することは、周囲のサポートを引き寄せる助けにもなったし、ひとりでやっているプロジェクトの信頼性を増すこともできました。

    そしてこれらすべてが、プロダクトのまわりにストーリーを作り、興味を持っていなかった人たちを惹きつけることにもなりました。

    これから

    今やプロジェクトのバックにBrianがいてくれるというのは、大変ありがたいことです。 これはExploding Topicsにとって素晴らしいニュースでした。 彼はSEO業界で非常に有名であると同時に、非常にスマートで、プロジェクトを次のレベルに引き上げる力になってくれています。

    彼は長年の業界での経験に基づき、どちらに進むべきか的確な判断ができます。 彼の言う「頭痛発見器」によって、私よりはるかに早く、潜在的な問題を見つけることができるのです。

    また新しい機能をBrianの巨大な顧客基盤に提供し、彼らの反応を見ることにも取り組みます。

    プロダクト・マーケットフィットを目指した改善を続けながら、コミュニティや掲示板をベースに何ヶ月も何年もかけてユーザーの拡大を図る必要は、もうないのです。

    その代わりに、よりよいプロダクトを作ることにフォーカスできます。 つまり、よりよいトレンドを早く発見できるという、プロダクトのコアなバリューです。 この観点で、私は再度バックエンドの改善に取り組むことができるようになりました。 新しいトレンドやキーワードの発掘場所として、いまやインターネット上でより多くの場所をモニタリングしています。 ヘルス、ビジネス、マーケティング、ファッションなど、分野も様々です。

    またニッチなカテゴリの深堀りも始めました。これはクリティカルな領域で、私が何ヶ月も先送りにしていたことです。 しかしBrianの助力を得て、前に進めることができるようになりました。

    問題は、潜在的なカスタマーのタイプが本当に多様なことです。 私のような個人開発者が次のプロジェクトのアイデアを探していたり、投資家が投資先を探していたり、アフィリエイターが次のホットなプロダクトを探していたり、あるいは単に好奇心からの調べ物だったり。

    そんな中で、私たちはまずプロブロガー向けに取り組むことにしました。

    これらのライターたちが新しいターゲットです。彼らは記事のために多様な分野のフレッシュなアイデアを、継続的に必要としています。 そしてもし彼らが急激に伸びているトピックについて最初に記事を書くことができれば、彼らにとってもすばらしい結果をもたらすはずです。

    ConvertKitのNathan Barryが$1,000~$10,000のMRR(月次収益)を獲得したことで、このマーケットの価値はすでに検証されています。

    できるだけ小さくてニッチなことに取り組みましょう。一般的なメールマーケティングではなく、「プロブロガーのためのメールマーケティング」に移行したことは、非常に重要でした。

    (出典: https://www.indiehackers.com/forum/ama-im-nathan-barry-the-founder-of-convertkit-968-000-mo-be0b361a63

    また私たちはプロダクトの名前も変えました。わかってます、わかってます。すでにTrend ListからTrenndに変えたのに、また変えるのかって言いたいんですよね? 聞いてください、ちゃんと理由があるんです。このプロダクトは口コミでとても広がっています。

    でも友達に教えるときに「Trendって調べてみて。あ、Nは2つだよ。それと.comじゃなくて.coなんだ」だと、イケてないですね😅 だからExploding Topics.comにしました。

    かわいいでしょ?覚えやすいし、スペルも簡単。見た目もバランスいい気がするけど、それは私だけかもしれませんね。 そして「topics」というキーワードが、私たちの新しいターゲットによくマッチしているのです。

    さらに、デザインもいい感じにリニューアルしました。全体的に前よりも直感的でセクシーだと思っています🤩

    以前はちょっとしたプロジェクトのようでしたが、今やちゃんとしたプロダクトに見えます。

    そして最終的に今日、Product Huntにも投稿します。 Brianと私が一日中コメントに答えられるようにスタンバイする予定です。 (訳注:元記事の投稿日は2019年12月3日。Exploding Topicsはこのあと見事Product Huntでも1位を獲得しました)

    私の話は以上です!最後まで読んでくれてありがとう。楽しんでくれたら何よりです。

    では、また会う日まで😘

    Josh(@joshahowarth)

    ← Go home