むかし、Webサービスを自分でも作れるようになりたい!と一念発起して、26歳文系未経験からWeb業界に転職しました。
結局仕事ではエンジニアじゃなくディレクターになってしまったのですが、個人開発でこれまでいろんなサービスを作ってきました。
というわけで自分用の備忘として、これまでの個人開発でつくったものの記録です。
だいぶ長文になってしまったので、おヒマなときにでもお読み下さい。目次
- ブンゴウフリック
- booklovesmusic
- 百/一
- THE TOURNAMENT
- スマホde百人一首
- Tab Sekki
- THE TIMELINE
以下年代順に、それぞれのサービスを作ったときのこと。
ブンゴウフリック(2011年)
※サービス終了
Applefanさんでレビューいただいているものが残っていました。
www.applefan2.com技術/環境
- iPhoneアプリ
- Titanium(JS)
ひとこと紹介
「ブンゴウフリック」は、文豪の残した趣ある一節を書き写して、作品のリズムや味わい深さを感じ取るためのアプリです。
制作事情
記念すべき初めてのサービスで、なぜかいきなりiPhoneアプリ。 このあと現在に至るまで基本アプリには手を出していないので、いま振り返るとなんでそっち行った感が半端ない。
でも2011年当時はやっぱりスマホアプリって超かっこよかったし、アプリ作れるってすごく夢があったんですよね。
そのときは完全初心者からPHPを仕事で3ヶ月ほどさわったくらいのぺーぺーだったので、とてもObjective-Cなんて手を出せず(いまも出せない)。
Javascript(まださわったことなかったけど)というとても汎用的な言語でアプリが作れるらしい、という触れ込みにクラっときて、ついついTitaniumに手を出してしまったみたいです。
ちなみにこの頃はコードのバージョン管理なんて概念はまだなかったし、もう手元にソースも存在しておりません。
自分で動くもの作ってるっていうのが楽しくてしょうがなかったので、とにかく作りあげることに集中してました。 毎週末カフェに集まって、同じようにアプリ開発してる友人と一緒に作業してたのがなつかしい。
結果的にいくつかレビューサイトでも取り上げていただいて、数千インストールくらいは達成してました。
そのときはよくわからなかったけど、いま思うとなかなか悪くない数字な気がします。
booklovesmusic(2011年)
※サービス終了
Lifehackerさんで紹介いただいた記事はこちら。
www.lifehacker.jp技術/環境
- CakePHP
- ロリポップ
ひとこと紹介
booklovesmusic(ブック・ラブズ・ミュージック)は、いま読んでいる本にぴったりの音楽をおすすめしてくれるサービスです。
制作事情
前作ブンゴウフリックでアプリに懲りたあと、Webに戻ってはじめて本格的にフレームワークとか使ってみた事案。
このときでWeb業界に入ってちょうど半年くらいだったような。
MVCとか研修では聞いたけど全然理解しきれてなくて、CakePHPで自動生成される複雑なフォルダ構成に絶望感を覚えたことが印象的です。
いま振り返るとシステム的にはけっこうやばくて、
- コードのバージョン管理はまだ導入してない
- ステージングとかないので本番一発勝負
- なのにデプロイはFTPで、壊れたけど元に戻せなくて泣きそうになってた
- YoutubeAPIのライブラリを入れたけど、動かないのでgrepしてライブラリ内のパスを全部手動で書き換えた
と、無邪気に好き放題してました。楽しかった。。
ありがたいことにリリース後いくつかのメディアやブログなどで取り上げていただき、それなりにユーザーも集まりました。
特にLifehackerさんで紹介いただいた時はアクセスが集中し、ロリポップの最安プランで動いてたシステムは一瞬で落ちました。
このサービスで何より学んだのは、「自分の作ったものが評価されるというのは最高に気持ちいい」という強烈な体験でした。
今でも時々リニューアルを考えてみたりするくらい、非常に思い入れの強いサービスです。
百/一(2013年)
※サービス終了
がんばって自分で書いたプレス記事はこちら。
www.value-press.com技術/環境
- Rails
- Heroku
ひとこと紹介
百/一(ひゃくいち)は、うまいこと設計された学習システムによって、百人一首をだいたい1ヶ月くらいでおぼえることができるサービスです。
制作事情
前作からちょっと時間が空いてるのは、この間にFjordさんのリモートインターンに参加して、Railsの勉強をしていたからですね。
でその卒業制作として(勝手に)作ったのがこの「百/一」でしたが、結果的に前2作に比べても全然泣かず飛ばずの悲しい結果になってしまいました。
前作のbooklovesmusicは「一発ネタ」っぽいところがあり、継続して使ってくれる人がいなかったという問題意識がありました。
集客はできたんだから、次はちゃんと使い続けてもらえるものを作りたい、というくらいの気持ちだったんですが、まぁちょっと調子に乗ってたんでしょうね。
百人一首は好きなテーマなのでこのときは不完全燃焼感があったのですが、後に「スマホde百人一首」をリリースして、個人的には多少リベンジできた感じです。
THE TOURNAMENT(2014年)
技術/環境
- Rails
- Heroku
- TwitterBootStrap
ひとこと紹介
THE TOURNAMENT(ザ・トーナメント)は、簡単・便利な無料のトーナメント表作成サービスです。
制作事情
ようやく現在も運用中のサービスが出てきました。
前作「百/一(ひゃくいち)」の失敗を受け、いろいろ反省して作ったサービスです。 結果的に今まで作ったなかで運用期間も最も長く、自分の代表作といえるサービスになりました。
- はじめて個人で作ったWebサービスで、売り上げを上げることができた(有料プランの販売)
- SEOを意識して、狙ったワードで検索上位に上げることができた
- 同時アクセス1万という、自分にとっては過去最高のアクセス量をさばく設計にできた
とはいえ初めて売り上げを上げるまでに3年もかかってるし、全然いばれる金額でもないのですが、 自分が作ったWebサービスにお金を払ってくれる人がいるというのは、はっきり言って死ぬほどうれしかったです。
お金が入るのはもちろんうれしいんですが、何というか、お金を払ってでもそのサービスを使いたい、と思ってもらえるものを作れたというのが、やはり作ってる側としてはめちゃめちゃうれしいですね。
スマホde百人一首(2015年)
技術/環境
- Sinatra
- Heroku
- SemanticUI
※後にFirebaseでリニューアル
ひとこと紹介
スマホde百人一首は、みんなのスマホを取り札にして遊べる、お正月にぴったりの百人一首サービスです。
制作事情
THE TOURNAMENTを作ったあと、自分の中でサービスを作るモチベーションみたいなのが多少変わっていました。
いわゆるフルスペックのWebサービスをがっつり作るのはある程度満足したけど、やっぱり定期的に新しいものは作りたくなるし、ときどきはゼロイチでモノを作らないと新しい技術から取り残されてしまうし、みたいな危機感もあったり。
というわけで小規模なサービスでシンプルにネタ勝負!として作ったのがこの「スマホde百人一首」です。
- ユーザー登録とか一切不要で、QRコード読み込むだけでその場のみんなで一緒に遊べる
- アプリじゃなくてただのWebなのに、みんなのブラウザが勝手に同期して更新される
というところが、企画的にも技術的にもちょっとおもしろいことができたんじゃないかというところです。
ユーザー登録させない利便性みたいなところは、調整さんリスペクト。
百人一首というテーマでそれなりに満足いくものが作れたという意味でも、個人的にお気に入りのサービスです。
Tab Sekki(2016年)
技術/環境
- Chrome拡張
- Javascript
- SemanticUI
ひとこと紹介
TabSekkiは、ブラウザの新しいタブに二十四節気七十二候の現在の暦を表示してくれるChrome拡張機能です。
制作事情
Chrome拡張に初挑戦。
あたらしいものを作りたいけどとにかくメンテナンスがめんどくさくて、 作りっぱなしで満足できるものが作りたくなって発作的に作ったやつです。
技術的には何にもおもしろいことしてないけど、デザインは自分なりになかなかがんばりました。
とくに言うこともないくらいシンプルなサービスだけど、個人的にほしかったものを作ったので自分は愛用しています。
72候それぞれで色が違うので、見慣れた頃に急に新しいタブが違う色になって、ああ季節変わったんだーって気付けるのが個人的には超いい感じです。
やっぱり個人開発の基本はドッグフーディング。
THE TIMELINE(2016年)
技術/環境
- Riot.js
- Firebase
- SemanticUI
ひとこと紹介
THE TIMELINE(ザ・タイムライン)は、簡単・便利な無料の年表作成サービスです。
制作事情
最新作は、トーナメント以来久々にがっつりのWebサービスです。
トーナメントは非常に気に入ってるサービスではあるのですが、何で自分がこれを運用しているのか、という社会的意義みたいなところが弱い部分ではありました。ニーズから逆算して作ったサービスゆえの弱みですね。
そんななか、THE TOURNAMENTで学んでうまくいったところは活かしつつ、自分が社会を積極的にこう変えていきたい、という思いを込めたサービスを世に出したいという思いはずっとあり、ようやく多少はそれに合致するかなと思えたのがこの「THE TIMELINE」です。
年表作成ってふつうに生きてるとまずしないと思うんですが、作ってみるとめちゃくちゃおもしろいわけですよ。
こち亀が40年続いてすごい!っていうのも、こうやって年表にするとそのすごさが視覚的にわかるし。
blog.notsobad.jpだまされたと思って一度年表つくってみると、絶対おもしろいこと間違いなしです。
というのが企画的な話なんですが、技術的には数年間お世話になってRails x Herokuを離れて、 Riot x Firebaseという新しいフレームワークに手を出しています。
どちらも学習コストが低くて今のところかなりいい感じなので、 もうちょっとこなれてきたらトーナメントもフルリニューアルありえるで。。
まとめ
という感じでいままで作ってきたものを振り返ってみました。
モチベーション的には、
- 最初はとにかく作ってるだけで楽しい
- 次はユーザーもっと増やしたい、お金稼げるようにしたい、技術的におもしろいことしたい、志のあることをしたい、とどんどん要求が高くなる
- とはいえ一度クリアしたのを毎回クリアできるわけでもなく、前作より集客失敗して空回りとかもよくある
という感じで、できることも増えたけどその分自分の満足のハードルも上がっちゃって、やっぱり毎回手探りでがんばってますという感じですね。。
あと6年で7個って少ない気もするけど、実際にはこの間に制作に至らなかったボツ企画や、 とりあえず作ったけどすぐに飽きて公表に至らないような小粒なやつもあったりします。
しかしさすがに6年もやってるとやりたいことは大体できるようになってきた感もあるので、 ちゃんと自分が本当にいいと思えるものを作って、きちんと運用していきたいなと思う次第です。
まぁそれがむずかしいんですけどね。。
とりあえず2017年はトーナメントと年表でがんばりたいと思います。 おしまい。